株式会社都農ワイン　代表取締役社長　赤尾　誠二さんインタビュー（中村亮選手）地元産ブドウにこだわる/品質の高さ国内外で評価

2025/12/25

都農ワイナリーは単なるワイン生産施設ではなく、都農町の観光拠点としても重要な役割を担っています。
そんな都農ワイナリーの魅力を、中村亮選手が直撃インタビューで探ってきました。

――都農ワインの概要と、大切にされているコンセプトについて教えてください。

都農ワインは1996年にオープンしたワイナリーで、「地元産ブドウにこだわったワイン作り」という点に強いこだわりを持って取り組んでいます。

――これまでの歩みや、国内外での受賞歴などのエピソードを教えてください。

現在は年間18万本、約40種類のワインを製造しています。中でも「キャンベル・アーリー」というワインが、イギリスのワイン専門誌で「世界の100選」に選ばれたことは、非常に大きなエポックメイキングな出来事でした。さらに、自社畑のシャルドネが日本一になったり、ロンドンの世界大会でシルバーメダルを獲得したりと、ワインの品質については公平・公正な審査において体系的に評価をいただいています。こうした受賞は、都農のワインの品質の高さを証明するものとして非常に価値があると感じています。

――都農町という土地の魅力や、地域住民の方々との関わりで大切にされていることはありますか。

都農町には豊富な日照や水はけの良い土質といったメリットもありますが、一方で雨が多く、日本一ワイン作りには不向きだと言われるほど厳しい環境でもあります。そうした中での土地の良さに加え、都農町の農家の方々の技術力の高さ、ものづくりへのこだわりこそが地域の魅力だと考えています。農家さんとは「良いブドウでないと良いワインはできない」という想いを共有しており、非常に良い関係を築けています。これは一朝一夕にできたものではなく、20年、30年と地域と共に歩んできた信頼関係の上にあるものです。

――ヴェロスクロノス都農や今回オープンしたポータルサイトに期待していることはありますか。

市民や地域の企業との交流の場が増えるほど、アプリの活用やサポート力も上がっていくと思います。双方向のコミュニティの場として機能していくことを期待しています。

――ふるさと納税の返礼品としてお届けしているワインの一番の魅力は何ですか。

なるべく希少なアイテムや、普段なかなか買えないような良質なワインをラインナップとして揃えるように意識しています。

――原料となるブドウへのこだわりを教えてください。

一番は「この地域のブドウしか使っていない」という点です。また、美味しいワインを作るための絶対条件として、温度管理と衛生管理の2点は徹底して大切にしています。

――現在、どのようなラインナップを展開されていますか。初心者の方におすすめの1本もあれば教えてください。

40種類ほどありますが、サッカーのギアに例えると分かりやすいかもしれません。初心者の方にいきなりプロモデルが合うとは限らないように、ワインもまずは飲みやすいフルーティーな物から始め、徐々に辛口や重口へと好みが変遷していく面白さがあります。初心者の方には、先ほども挙げた「キャンベル・アーリー」の甘口がおすすめです。地元では20歳のお祝いで乾杯に使われることも多い、親しみやすいワインです。

――寄付者の方から届いた感想で、特に励みになった事や印象深いエピソードはありますか。

東京のイベントなどで「ふるさと納税したよ」「都農を応援しているよ」と声を掛けていただくことがあります。ワインを通じて都農町を知り、そこから都農の牛肉など他の魅力にも繋がっていく。ワイナリーが町を応援するファン（応援団）を作る一助になれていると感じる時は非常に嬉しいですね。

――ワインを受け取った寄付者の方に、どのようなシーンで、どんな幸せを感じてほしいと願っていますか。

ワインは食卓を彩る花のような存在です。特別な日やお祝い事はもちろんですが、都農ワインは「地酒」ですので、普段の日本の家庭料理とも非常によく合います。チキン南蛮やタケノコの天ぷらなど、日常の食事に寄り添うワインとして、肩肘張らずに楽しんでいただけたら幸せです。

――都農町を応援してくださる全国の寄付者の方へ、一言メッセージをお願いします。

ふるさと納税の返礼品を通じて、都農という町の魅力を感じていただけるとありがたいです。

――来年創業30周年を迎えますが、これから都農ワインとして新しく挑戦したいことや、掲げている目標についてお聞かせください。

都農ワインをより楽しめる空間を提供し続けたいと考えています。コロナ禍で始めたベーカリー（ワインに合うパンの提供）に続き、今後はチーズやシャルキュトリなど、ワインに合う「食の提案」をさらに広げていきたいです。

【都農ワイナリー】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北14609-20
TEL：0983-25-5501

中村選手取材後コメント
取材を通してブドウや土地への深い愛情がとても印象的でした。社長自ら施設を案内していただき、大変貴重な時間となりましたし現場を歩きながら直接お話を伺うことで、ワイン造りへの強い信念と地域への深い思いを実感しました。気になる事を分かりやすく説明してくださるので都農ワインの魅力をより感じることができました。
都農という土地とともに歩み、共に発展していきたいという気持ちが伝わり刺激的で有意義な時間でした。ありがとうございました。