株式会社そら彩 専務取締役 田尻 哲朗さん インタビュー(武田航太朗 選手) 素材、手作りにこだわり/障がい者雇用にも貢献
- 2026/04/09
――次に天孫降臨の地、高千穂町の魅力などを教えてください
自分は宮崎市出身ですので、観光客が多いとか自然が豊かだとか、当たり前のことしか言えないのですが、本質はそこかもしれません。自分が高千穂に来て何よりもすごいなと思ったのは、小学生や中学生のことです。車で通りかかった際に歩いている小学生に道を譲ると、彼らは必ずこちらを向いて一礼するんですよ。それが最初は本当にびっくりしたというか、「いい子供たちだな」と思ったのを覚えています。高千穂のいいところを聞かれたらいつもそのことも答えるようにしています。
――地域の方々との関わりで大切にしていることはありますか
人口が少ない町に住んでいると、どうしても顔見知りになります。普段の何気ない行動も結構見られていることが多かったりしますので、挨拶をしたり、歩いている時の姿や、険しい顔になっていないかなどは注意して行動しているつもりです。あとは、どこへ行ってもみんなと挨拶をして会話を交わし、そこで情報をいただくようにしています。直売所や道の駅に配達に行くのですが、そこで店員の方と話をして新商品のヒントをもらったりしています。
――現在のふるさと納税返礼品のラインナップ、伝えたい魅力を教えてください
「チーズまんじゅうの5種詰め合わせセット」と「レモンケーキの8個入り」を出しています。チーズまんじゅうは普通、1種類で作っている業者さんが多いのですが、うちはもともとチーズまんじゅう一本でスタートした会社なので味の展開があります。高千穂のお茶を使ったものや宮崎のイチゴを使ったものなど味の横展開があるので、それを詰め合わせにしています。色々な味を楽しんでいただけることが魅力と思います。
レモンケーキは酸味の強い宮崎県産の「リスボンレモン」を材料として使っています。このレモンを生産している農家さんは宮崎に4軒ほどしかなく、果汁の販売などもされていないので、農家さんから直接買い付けています。生のレモンを1年分、全従業員で1日かけて搾汁して使っています。宮崎県内でもうちでしか出せない原材料にこだわった味だと思っています。
――「しょっぱいチーズ」のまんじゅうもありますよね
「大人のチーズまんじゅう」ですね。中にブルーチーズやトマトを入れたものです。若手経営者の集まりで飲んでいた時に「ブルーチーズを入れたら美味しいんじゃないか」というアイデアが出て、そこからレシピを作って試食を繰り返して完成しました。返礼品のラインナップに加えるかは検討中です。
――ふるさと納税の寄付者からの印象的なエピソードはありますか
ふるさと納税経由のエピソードはまだ少ないですが、お店に買いに来られた方からはよく「美味しかった」と言っていただきます。一番嬉しいのは、チーズまんじゅうを知っている方が色々食べた中で「ここが一番美味しかったです」と言ってくださることですね。
――ヴェロスクロノス都農はご存じでした?
はい、知っています。調子がいいですよね。現在アスリート向けのお菓子作りを検討しています。栄養士の方と一緒に、スポーツ選手の「補食」になるようなお菓子です。一口サイズのフィナンシェのような食べやすいものです。高校生らが部活の合間に補食を食べる際に「美味しい」と思って食べていないという意見が多かったんです。宮崎はキャンプなども盛んですし、ビタミンDが取れるキクラゲパウダーを入れたり、夏の汗をかいた時のために塩を乗せたり、そういった色々な要素を詰め込んだ美味しくて、かつ補食になる焼き菓子を模索中です。価格や原料の面を調整中ですが、ヴェロスクロノス都農の選手に食べてもらって意見をいただくなどの協力をいただけたら嬉しいです。美味しい上に栄養もある、宮崎発の補食ができたらいいなと思っています。
――最後に今後の挑戦したいことや目標を教えてください
福祉との連携で、町に雇用を生みたいというのがコンセプトにあります。お菓子が美味しいのは前提として、うちの強みである「人の手」を使って製造をすることに雇用が生まれ、障がいのある方たちが「仕事があるから高千穂に行きたい」と思ってもらえるような流れにしたいです。「障がい者が作っているから買ってください」という売り方はしていません。本当に美味しいものを作って全国に販売し、それを見て「作りたい」と思って人が来てくれる、自立できる組織にしたいというのが目標です。
【株式会社そら彩】
〒882-1101 宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1050
TEL:0982-82-2020
武田選手取材後コメント
今回お話を伺った「そら彩」さんは、宮崎の名物菓子「チーズまんじゅう」を独自にアレンジした「おひさまチーズまんじゅう」をはじめ、さまざまなお菓子の製造・販売を行っています。
また、「日常に少しの彩りを」という思いのもと、素材と手作りにこだわり、九州産の素材を使いながら、安心して食べられるお菓子づくりを大切にされている点がとても印象的でした。
実際に厨房にも入らせていただきましたが、衛生管理や作業工程の一つひとつに妥協がなく、徹底された丁寧なものづくりの姿勢に大変感銘を受けました。
また、障がいのある方々の支援にも力を入れており、働く場づくりを通して地域に根ざした温かい活動をされている点も印象的でした。
今後、ヴェロスクロノス都農のポータルサイトを通じて、そら彩さんの魅力や高千穂町の食の魅力が、さらに多くの方に届いていくことを楽しみにしています。
高千穂町ふるさと納税の返礼品として人気を集める「株式会社そら彩」。
「日常に少しの彩りを」と屋号に込めた思いや、素材と手作りにこだわったお菓子作りの背景、そして障がい者雇用への貢献を目指すルーツを探るべく、ヴェロスクロノス都農・武田航太朗選手が取材に訪れました。
――事業所名に込めた思いや大切にしているコンセプトなどがあれば教えてください
2014年にお菓子を製造・販売する小さな工房からスタートしました。「菓子工房そらいろ」という屋号には「日常に少しの彩りを」との思いを込めています。現在の場所に移ってからは5年程になり、創業時から大切にしていることは、素材にこだわって一つひとつ丁寧に手作りするという点に重きを置いています。九州産の素材を活用し、極力添加物を使わないようにして、「安心して食べていただける」をコンセプトに製造しています。運営主体の株式会社そら彩は障がい者就労支援施設「にじいろ」も運営していまして、そこの利用者さんが毎日お仕事に来られます。そういった方たちの仕事の創出という意味も含めて、手作りという部分にこだわって製造しています。
――高千穂町でチーズまんじゅう製造を始めたきっかけは
もともとは福祉が絡んでいます。僕の父親は耳が聞こえないのですが、自分もそういった方々の仕事に貢献できればと、母親が働いていた障害者施設に入りました。そこで栄養士で調理やお菓子作りが好きだった母親のレシピでチーズまんじゅうを作ってみたら評判が非常に良く、それを形にしようと商品化を決めました。その後、母親の出身地の高千穂町で独立して始めたという感じです。当時は宮崎市あたりではチーズまんじゅうは有名でしたが、その頃の高千穂町にはほとんどお店がありませんでした。観光客が県内で一番来る場所なのに、有名なお菓子がないのはもったいないと思ったのもきっかけですね。